翻訳という作業は母語とターゲットランギジとのミュチュアル·コンビネーション作用(mutual combination working)によって行われる行為と言える。翻訳には母語からターゲットランギジとその逆方向があり得るが、本稿では前者のことに焦点を当てることにした。本研究では、一般的に翻訳からやさしいと思われている一対一の対応が割りとはっきりする名詞の件について韓国語から日本語への転換において起こる問題と、ふつう一対一の対応が難しいと言われている韓国語の副詞、修飾語としての役割を担当している形容詞の問題主に取り上げることにした。本稿では、韓国文学作品の日本語翻訳に見える表現の多義性(ambiguity)に対し、翻訳専門家グループの翻訳文を通して照明を省てることにより、翻訳に現れる数々の判断に関わる事項を調査分析した。その一つとして、主語の扱いが翻訳者によって文脈を考慮した苦択に強いられることが多々あることである。主語は時には省略された形で現れることもあった。韓日翻訳においてはテンスとアスペクトの問題も対応に注目する必要があった。韓国での「-ㅆ다」は単純過去を表す機能を持っている。しかし、日本語文では「-た」形を用いることがあれば、時制が「現在」に置き換えられることもある。ナイダは、翻訳を「Formal Equivalence」と「Dynamic Equivalence」で分けている。本稿を通して良い翻訳とは何かについても枠を広げてみたい。